税務調査で社長や役員への貸付金や仮払金に注意!?

同族会社の場合、会社から社長や役員に対して、貸付けをしていたり、仮払いをしていたりすることがあります。この貸付金や仮払金は税務調査で問題となる可能性がありますので注意しましょう。今 … 続きを読む 税務調査で社長や役員への貸付金や仮払金に注意!?

この記事は約3分で読み終わります。

同族会社の場合、会社から社長や役員に対して、貸付けをしていたり、仮払いをしていたりすることがあります。この貸付金や仮払金は税務調査で問題となる可能性がありますので注意しましょう。今回は社長や役員への貸付金や仮払金が問題にならないようにするためのポイントを税理士が解説します。

税務調査で貸付金や仮払金がなぜ問題になるの?

会社から社長や役員に対する貸付金・仮払金があること自体が問題なのではありません。その実質的な内容が問題となります。

仮払金というのは通常、一時的な仮払いの性質のものですから、短期間で精算されていなければなりません。貸付金は短期と長期とありますが、どちらにしても返済が予定されているものです。

税務調査では仮払金が実際に精算されるのか、貸付金が返済されるのか、という観点でチェックを受けることとなります。仮に精算される予定がない、返済される予定がないということとなった場合は、それは社長や役員に対して精算・返済予定のないお金を渡しただけということと考えられるため、社長や役員に対する給与として認定を受けることとなります。給与としての認定を受けると、損金とするには役員報酬の損金算入要件を満たすがありますし、社長や役員個人の所得税がかかることとなります。

(関連記事)税務調査で役員報酬が問題にならないようにするためには!?

 

税務調査で貸付金や仮払金が問題とならないようにするためにはどうすればいい

仮払金は長期間残らないようにする

仮払金は通常短期間で精算されるものですから、それが長期間残っていると「精算する予定がない」と判断される可能性があります。資金がなくてすぐに返済することができないのであれば、貸付金に置き換えるとよいでしょう。

 

貸付金は契約書を作成する

会社から貸付をするときは契約書を作成するようにしましょう。
なお、その際の返済計画は合理的なものとする必要があります。
例えば、貸付金の残高が1億円あるのに、毎月1万円の返済であれば、返済が終わるまで833年かかることとなります。これは合理的な返済計画とは考えられず、大部分は返すつもりがない、と受け取られる可能性があります。
分割返済ではなく、一括返済するのであれば、返済するときにお金をどうやって用意するのかを説明できるようにしておきましょう。
また、契約で返済計画が決められていても、そのとおりに返済していなければ意味がありません。契約条件のとおりに返済している必要があります。

 

貸付金は利息をとる

会社から貸付をした場合は、利息をとる必要があります。利息をとっていないときや合理的な利率よりも低い利率で貸付をしているときは、その者に対する経済的利益とみなされ、一旦利息を受け取った後、給与として支払ったという処理をすることとなります。この場合、会社は利息を受け取ったことになるため利益を計上する必要があります。みなし給与部分は役員報酬の損金算入の要件を満たしていないときは損金不算入となり、社長や役員個人の所得税がかかります。

 

まとめ

社長や役員への貸付金や仮払金がなぜ問題になるのか、問題にならないようにするためのポイントについて解説しました。契約書を作っていなかったから、わずかな利息を取っていなかったから、などによって税務調査で問題になるのはもったいないことです。ポイントを押さえて問題とならないようにしましょう!