税務調査で「お土産」は必要か?

税務調査のために「お土産」を用意しておいた方がいいという話を聞いたことはありますか?実際には税務調査での「お土産」は必要ありません。今回は税務調査における「お土産」とは?なぜ必要な … 続きを読む 税務調査で「お土産」は必要か?

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税務調査のために「お土産」を用意しておいた方がいいという話を聞いたことはありますか?実際には税務調査での「お土産」は必要ありません。今回は税務調査における「お土産」とは?なぜ必要ないのかを税理士がポイントを解説します。

税務調査でのお土産(おみやげ)とは?

税務調査とは、納税者(会社などの法人や個人)が行った税務申告が正しいかどうかをチェックするために行われるものです。税務調査に来る税務調査官も国税局という組織の一員ですから、税務調査に入る以上は何らかの間違いを発見して税金を徴収しなければならない、というプレッシャーは大なり小なりあることでしょう。

そのため、税務調査に入った場合には「お土産」を用意しておいた方がいい、と言われることがあります。ここでの「お土産」とは、機嫌を取るための菓子などの手土産という意味ではなく、税務上の問題点を予め用意しておき税務調査に入った際に税務調査官に首尾よく見つけてもらおう、とするものです。「お土産」を見つけた税務調査官は、一つ問題が見つかったからプレッシャーから解放され、その後の調査が甘くなったり、調査が短期間で終了するのではないか、と期待するのです。

税務調査でのお土産(おみやげ)は必要?

結論から言いますと、税務調査での「お土産」は必要ありません。
日頃から正しい会計処理をして税金の申告と納税をしていれば、税務調査で問題が発見されなくて当然です。実際に税務調査に入った結果、何の問題も見つからない(調査の結果、是認となる)ということもよくあります。また、現実的に、「お土産」を見つけたから調査が甘くなる、というようなことはないでしょう。そのため税務調査のための「お土産」を用意しておく必要はありません。

そればかりか下手に「お土産」を用意していて、それだけが税務調査で見つかった場合には、税務調査で非違が発見されたという実績が残ってしまいます。税務調査で問題がなければ、今後の税務調査の頻度も減ることになるでしょうが、非違の実績が残ると頻度が増えてしまう可能性があります。「お土産」がマイナスになることもあるのです。

税務調査が長引きそうになる場合のお土産(おみやげ)

これまで解説したとおり税務調査での「お土産」は必要ありません。
しかし、税務調査で複数の論点が挙げられていずれの論点も税務調査官と見解が相違していて、膠着している場合などで、比較的影響が少ない方の論点について税務調査官の主張を認め、残りの論点については税務調査官にこちらの見解を認めてもらうということは考えられます。税務調査をいたずらに長引かせるのはお互いにマイナスとなりますから、税務調査においてこのような交渉を行うことは考えられますが、これは「お土産」とは異なるものです。もちろんダメなものが認められることはなく、あくまでどちらにも理があるというものに限られます。
どのような論点を認めると影響が少なくなるかについてはケースによって異なりますが、一般的には申告調整で「社外流出」ではなく「留保」となるもの、また比較的近いうちに「留保したものが減算調整できるもの」の方が影響は少なくなると考えられます。

まとめ

税務調査における「お土産」の必要性について解説しました。税務調査でお土産があった方がいい、というのはよく言われる話ですので、もしかすると過去においてはそのような暗黙の了解の下で調査が円滑に進むことがあったのかもしれません。しかし、現在において、そのようなことはありません。「お土産」を用意することを考えるよりは、正しく会計処理をして問題のない申告を初めからするように考えた方がよいでしょう。税務調査でお困りの時はみんなの会計事務所 税務調査・期限後申告相談センターまでお気軽にご相談ください。