一人親方の税務調査のチェックポイント

内装業、防水業、工事業などいわゆる一人親方と言われる個人建設業の方に対して行われる税務調査のチェックポイントを解説します。   Contents1 一人親方に税務調査が来 … 続きを読む 一人親方の税務調査のチェックポイント

この記事は約4分で読み終わります。

内装業、防水業、工事業などいわゆる一人親方と言われる個人建設業の方に対して行われる税務調査のチェックポイントを解説します。

 

一人親方に税務調査が来る確率は?

内装業、防水業、工事業などいわゆる一人親方と言われる個人建設業の方に対しても税務調査は行われます。

税務調査の際に、調査官から聞いた話によれば、以前は個人の氏名と屋号との紐づけが難しかったようなのですが、最近は個人の氏名と屋号との紐づけが容易になっているようです。

つまり、一人親方が屋号で商売を行い、屋号で元請け先に請求している場合、その屋号での支払の情報を税務当局が掴んだとしても、以前は、それが誰の申告かを特定するのが難しかったようです。しかし、最近はそれが特定できるようになったため、税務当局が掴んだ情報と確定申告書の内容を照らし合わせることができます。そこで何らかの相違があれば、「申告内容が間違っているのではないか」、という疑念を抱き、ピックアップされ、税務調査が来ることとなります。

どれくらいの割合で税務調査が入る、という明確な確率はわかりませんが、売上が数百万という比較的売上規模が小さくても税務調査が入ることはありますので注意してください。

 

 

一人親方の税務調査のチェックポイント

一人親方の税務調査では、次のような点についてよくチェックされます。

①売上の計上漏れがないか、期ずれにも注意

税務調査官は、事前に入手した情報をもとに確定申告書を予めチェックしてやってきています。事前に入手した情報よりも確定申告書の売上が少ないときは、売上の計上漏れがあるのではないか、と取引先に対して発行した請求書や預金通帳などでチェックされることとなります。

また、工事が終わっているのに入金がされていないから、翌年の売上に計上しているような場合は「期ずれ」で指摘される可能性があります。

(関連記事)税務調査で売上の「きずれ」を指摘されないためには!?

 

②外注費の架空計上はないか、外注費か給与か

税務署には一般的な建設業の利益水準、経費水準を知っていますから、それと比べて売上の割に経費が多い、利益が少ない、と判断された場合は、外注費などの経費について、取引先からの請求書、領収書や通帳などで架空計上していないかとチェックされることとなります。現金で支払っていて領収書も残っていない場合は、否認される可能性があるため注意が必要です。工事の記録、手帳なんでもよいので、そのタイミングで、その外注先に対して外注を依頼していたことを証明する必要があります。

また、外注先に外注費として支払っている場合は、それが給与ではないか、という観点でチェックされます。給与となれば、源泉所得税の徴収が必要ですし、消費税の仕入税額控除ができなくなります。

(関連記事)税務調査で外注費を給与と判定されないためには?

 

③経費の中に「私用のもの」が混じっていないか

税務調査官が、経費の領収書等をまとめて持ち帰り、税務署でチェックをすることがあります。

例えば、家族でした旅行代、飲食代などが混じっていれば、それらの経費は否認されることとなります。土日によく飲食代を使っている・・・とかであれば、土日も仕事を行っていることを説明できるようにしておかなければなりません。

また、車関係の費用などを全額経費としている場合は、車を私用で使っていないか、家事按分の問題が生じる可能性があります。私用で使っている部分については経費として認められません。

(関連記事)税務調査で交際費を否認されないようにするためには!?

 

④正しく減価償却をしているか

車など長期間使用することができる高額の資産は、購入時に全額費用とすることはできず、減価償却をする必要があります。減価償却をせずに全額費用としていたり、減価償却の計算を誤っているケースがよく見受けられます。そのため、税務調査官は、減価償却が正しくされているかどうかをチェックします。

 

まとめ

一人親方の税務調査のチェックポイントについて解説しました。「うちは売上がそれほど多くないから大丈夫」ということはありません。税務調査では複数年分がチェックされるため、追徴税額が多額になる可能性があります。これらのチェックポイントに気を付けて、正しい確定申告をするようにしてください。

みんなの会計事務所では、一人親方の税務調査の対応経験も豊富です。税務調査が入ることになりどうしたらよいかわからないときはお気軽にご相談ください。