税務調査の行われやすい(多い)時期・行われにくい(少ない)時期

税金の申告をすると一定の割合で税務調査は行われます。この税務調査には行われやすい時期と行われにくい時期があります。あくまで一つの目安に過ぎませんが、これを知っていれば、税務調査がい … 続きを読む 税務調査の行われやすい(多い)時期・行われにくい(少ない)時期

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税金の申告をすると一定の割合で税務調査は行われます。この税務調査には行われやすい時期と行われにくい時期があります。あくまで一つの目安に過ぎませんが、これを知っていれば、税務調査がいつ来るか怯えないで済むことになるでしょう。今回は税務調査の時期について税理士がポイントを解説します。

上半期は税務調査が行われにくい(少ない)時期

税務調査の多い時期を考えるには、税務署の年間のスケジュールを考えるとよいでしょう。

まず、1月。ほとんどの会社で年末年始休暇を設けており、新年早々は挨拶周りなどがあり、実際に業務が始まるのは1月中旬頃からになるのではないでしょうか。
税務調査が行われる際は、原則として事前に連絡(事前通知)を行わなければならないという決まりがあります。事前通知の時期は決まっていませんが、2週間くらい前に通知をされることが多いです。

1月中旬に実地調査を行おうとすれば、年末または新年早々に事前通知をしなければなりませんが、ちょっと非常識な感じがします。
業務が始まる1月中旬頃に通知をすると、1月末から2月に実地調査が行われることとなります。そうなると、税務署側としては時期的には都合が悪くなります。

それは3月15日が期限の個人の確定申告に向けた準備をしなければならないからです。
税務署は、地域での確定申告相談センターの運営なども行っています。その準備や運営に多くの人が時間を割きますので、税務調査を行う余裕がありません。

そして、個人の確定申告の期日が終わると、次は法人の3月決算の申告があります。
日本では法人の決算期は3月に集中しています。

申告があると、税務署は、申告書を処理しなければなりません。4月~6月は膨大な申告の処理に追われることとなるのです。

そして、税務署の年間のスケジュールを考える上で、もう一つ大きなイベントが、税務職員の人事異動です。毎年7月に多くの税務職員が人事異動となり、違う税務署や部署に配属されることとなります。異動時期前に税務調査に着手したとしても、やり残したまま引き継がないといけないこととなります。できれば、そのような仕事はしたくないですよね。また、引継ぎの準備や仕事の整理などもしなければなりません。そのため、7月の異動時期前に税務調査が行われることもあまりありません。

(たまに、異動時期前に税務調査が入り後任が引き継いで進めて行われることもあります。人事異動があるからその前に税務調査は行わない、ということではありません。)

このように、上半期は税務署の職員は年末年始・確定申告・異動などのことを考えないといけません。そのため、上半期は税務調査が行われにくいシーズンであると言えます。

ただし、上半期に行われる税務調査が全くない、ということではありません。決算期などの関係からこのタイミングで進めた方がよい法人や、問題のありそうな法人・個人については、このタイミングで税務調査が行われます。また、比較的規模の小さい法人や個人の税務調査などであれば行われることもあります。

 

下半期は税務調査が行われやすい(多い)時期

逆に下半期は税務調査が多い時期となります。
7月に異動があった後、7月は着任した部署の資料を調べたり、引継ぎをしたりしていることでしょう。そして、それらが落ち着いた7月下旬~8月頃から、いよいよ税務調査に着手することとなります。
下半期は、税務署にはそれほど大きなイベントもありませんので、多くの税務調査はこの時期に行われることとなります。

税務調査は、実地調査が行われたとしても、すぐに終わる訳ではなく、実地調査後の資料提示・折衝、税務署内での決裁などを考えると1か月程度はかかります。

年が明けると、先に説明したように税務署の職員は税務調査に割ける時間が少なくなります。そのため、12月中には税務調査を終わらせておきたい、と考えることでしょう。12月中に終わらせるようにするためには税務調査には11月中に着手しておく必要があります。

そう考えると、税務調査の連絡(事前通知)があることが多い時期は、8月~11月であると言えます。実際に弊所でもその時期に税務調査の連絡(事前通知)が入ることが多くあります。

まとめ

税務調査が行われやすい時期について解説しました。とはいっても、上半期に絶対に税務調査がないという訳ではありませんし、あくまで目安程度にしかなりません。いつ税務調査が行われてもよいように、問題のない申告をし、帳簿書類も保存しておくようにしましょう。いざ、税務調査が入ることとなりお困りの時は、税務調査・期限後申告相談センター(みんなの会計事務所)にお気軽にご相談ください。