消費税の課税・非課税区分の判定 誤りやすいポイント

消費税の税務調査が行われる場合は、消費税の課税・非課税区分の判定が正しく行われているかどうか、という確認をされるでしょう。今回は、消費税の課税・非課税区分の判定について誤りやすいポ … 続きを読む 消費税の課税・非課税区分の判定 誤りやすいポイント

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消費税の税務調査が行われる場合は、消費税の課税・非課税区分の判定が正しく行われているかどうか、という確認をされるでしょう。今回は、消費税の課税・非課税区分の判定について誤りやすいポイントを税理士が解説します。

消費税の課税・非課税区分の判定 誤りやすいポイント

・不動産取引
土地の販売代金は非課税取引で、建物の販売代金は課税取引です。土地と建物を同時に売却したり取得したときは、契約書に記載された金額等に基づいて土地と建物を区分して会計処理をする必要があります。契約書に土地と建物の代金が区分されていないときは、相続税評価額や固定資産税評価額などを基にして按分計算をします。
土地や居住用住宅の賃貸料についても原則として非課税取引となります。ただし、土地や居住用住宅の賃貸期間が1カ月未満である場合は課税取引となります。また、駐車場の貸付、事務所などの建物の賃貸料については原則として課税取引となります。

・役員報酬・給与
役員報酬や給与などの労務費は、雇用契約に基づく労働の対価であって、「事業」として行う役務の提供にはあたらないため、消費税の課税対象外取引となります。
ただし、派遣会社に支払う派遣料などについては消費税の課税取引となります。

・通勤手当
通勤手当のうち通勤のために通常必要とする範囲内のものは消費税の課税取引となります。通勤手当については、所得税法上非課税となる上限金額が定められていますが、この上限を超えていても通常必要とする範囲内であれば消費税の課税取引となりますので注意してください。

・旅費交通費
国内出張などでかかった交通費・宿泊費については、消費税の課税取引となります。また、出張手当(出張日当)が支払われたときの出張手当(出張日当)も消費税の課税取引です。間違えやすいので注意してください。
一方、海外出張などにより海外で支払う交通費・宿泊費は、原則として消費税の課税仕入とはなりません。海外出張時に支払う出張手当(出張日当)も同様です。ただし、国内空港の空港利用料などは消費税の課税取引となり、消費税を控除することができますので注意してください。

・交際費・寄附金
祝い金や香典、見舞金、寄付金などについては一般的に対価として支払われるものではないので、消費税の課税の対象とはなりません。商品券、ギフト券、旅行券などのプリペイドカードを購入したときも、非課税取引となり、消費税を控除することができません。
また、ゴルフをしたときにプレー料金に含まれるゴルフ場利用税についても課税対象外取引となり、消費税を控除することができません。間違えやすいところですので注意しましょう。

・支払報酬
税理士や司法書士などの専門家に支払った報酬は課税取引です。ただし、税理士等からの請求に、印紙代や登録免許税などの立替費用が含まれていることがあるので注意しましょう。印紙代や登録免許税は課税対象外取引ですので、区分して扱う必要があります。

・車両費
車を購入したときに支払った自動車取得税・自動車重量税、毎年支払う自動車税や車検時に支払う自動車重量税は課税対象外となり、消費税を控除することができません。

・支払手数料
支払手数料は大半が役務提供の対価と考えられるため課税取引となります。ただし、クレジットカードで販売したときにカード会社に対して支払うカード利用手数料は、金利の性質を持つものであり、非課税取引となりますので注意しましょう。

・諸会費
同業者団体や組合などに支払う会費や組合費などについては、課税仕入れなる場合とそうでない場合があります。これらはその会費が団体から受ける役務の提供の対価であるかどうか、で判断し、対価性がある場合には課税仕入れとなります。請求書や領収証などに「消費税」の記載があればわかりやすいのですが、記載されていない場合は、その団体や組合に確認するか、自身で判断しなければなりません。
たとえば、セミナーや講座などの会費は、講義や講演といった役務提供の対価と考えられますので、消費税の課税取引となります。

・減価償却資産・リース資産
建物などを取得する際に支払われる不動産取得税や登録免許税は課税対象外取引ですので、消費税を控除することはできません。

まとめ

消費税の課税・非課税区分の判定について誤りやすいポイントを解説しました。消費税の税務調査があると、課税・非課税区分については必ずと言っていいほどチェックされることになるでしょう。そのため、日頃から正しい会計処理をしている必要があります。後ですべてを見直しするのは大変ですので、経理担当者がある程度の知識を持っておく必要があるでしょう。