税務調査の連絡があったときは、次のような準備をしておくことが重要です。
税務調査当日にどこまで調べられるか、調査期間がどれくらいになるかは、その会社(個人)や応対する人の印象も大きく関係してきます。しっかりと準備をしておけば、スムーズに税務調査が進むこととなるでしょう。
1. 必要書類の準備と事前点検
税務調査事前準備チェックリスト
- 会社案内、商品パンフレット、組織図を準備する。
- 総勘定元帳、振替伝票、納品書、領収書、請求書、棚卸表等の資料を3~5年分準備する。
※総勘定元帳は印刷しておきましょう。
※複数の資料を一緒に綴じず、資料別にファイリングするようにしましょう。 - 契約書などの重要文書を準備する。
※印紙の貼り漏れがないことを確認しておきましょう。 - 源泉徴収簿、扶養控除等異動申告書、保険料控除申告書を3~5年分準備する。
※国外扶養親族がいるときは、親族関係書類や送金関係書類が揃っていることを確認しておきましょう。 - 金庫、書庫、コンピュータファイル、eメール通信記録等に誤解を招くようなものがないかをチェックする。
※プライベートでも使う手帳などは自宅に保管しておいた方がよいでしょう。 - 会社と役員や関係会社との間に貸し借りがある場合は、その資金源をチェックし、説明できるようにしておく。債権債務が互いに合致していることも確認し、必要があれば通帳にも目を通しておく。
- 総勘定元帳に目を通し、不要なメモが残っていないことを確認する。
- 接待交際費について、支出先や接待相手など帳簿書類の記載事項の記載漏れがないことを確認する。
- 役員貸付について、契約書が揃っていることを確認する。
- 外注先への支払について、契約書や請求書が揃っていることを確認する。
※外注先が、実質的に従業員と判断された場合、源泉所得税や消費税の問題が生じる可能性があります。 - 役員報酬の変更について、各種議事録が揃っていることを確認する。
- 現金出納帳と現金残高が一致していることを確認する。
- 役員や関係会社との間に取引がある場合は、取引の適正性を説明できるようにしておく。
- 役員(特に同族関係者)の職務内容について説明できるようにしておく。
2.従業員への周知
突然、税務署の職員がやってくると、従業員は「社長は何か悪いことをしたのではないか?」と不安になってしまうかもしれません。また、税務調査官が従業員に直接質問をしたりすることもあります。そのため、税務調査が行われること、税務調査はどの会社にも行われるもので当社に問題がある訳ではないことを事前に従業員に伝えるようにしておきましょう。
3.税務調査の実施場所の確保
できるだけ会議室など執務スペースとは区切られた場所(通常業務が行われていない場所)を確保するようにしましょう。
執務スペースだと、税務調査官がいろんな情報が目につきますし、従業員にも気軽に質問することができてしまいます。それがきっかけとなり、新たな論点が生じる可能性があります。
また、準備した資料は税務調査の実施場所に予め置いておくのではなく、依頼を受けた都度、個別に提示するようにしてください。
4.税務調査の応対の準備
税務調査官に納税意識のあるまじめな納税者であるという印象を持ってもらった方がメリットがあります。税務調査には誠実に対応するようにしてください。
また、税務調査に応対する方は、応対する際に次のような事項に気を付けてください。
税務調査応対の注意事項
- 役員報酬の変更について、各種議事録が揃っていることを確認する。
- 現金出納帳と現金残高が一致していることを確認する。
- 役員や関係会社との間に取引がある場合は、取引の適正性を説明できるようにしておく。
- 役員(特に同族関係者)の職務内容について説明できるようにしておく。