税務調査で役員報酬が問題にならないようにするためには!?

同族会社に対する税務調査などでは、役員報酬について論点となることがあります。 今回は、税務調査で役員報酬が問題とならないためのポイントを税理士が解説します。 Contents1 役 … 続きを読む 税務調査で役員報酬が問題にならないようにするためには!?

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同族会社に対する税務調査などでは、役員報酬について論点となることがあります。
今回は、税務調査で役員報酬が問題とならないためのポイントを税理士が解説します。

役員と法人税法上の役員の違い

一般的に、役員とは、取締役や監査役、会計参与など株主総会等で選任され、役員として登記されている者のことを指しますが、法人税法上の役員の範囲はそれよりも広く、次のとおりです。

法人税法上の役員の範囲

①法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人
②法人の使用人以外の者でその法人の経営に従事している者
③同族会社の使用人のうち、一定の要件を満たす者で、その会社の経営に従事している者

①が一般的な役員で、②と③が法人税法上の「みなし役員」となります。
役員として登記されていなくても、会社経営に従事するなど実質的に役員の仕事をしている者は、法人税法上の役員に関する規定が適用されることとなります。

役員としての勤務実態を明確に説明できるように!

同族会社の場合は、適用される所得税率が抑えて節税を図るため、親族に分散して役員報酬を支給していることもあるでしょう。役員報酬を支給しているのですから、当然、その親族は役員として仕事をしている実態がなければなりません。そして、大事なのは、税務調査官にそのことを説明できるようにしておくことです。

役員の場合は、勤務している訳ではなくタイムカードや日報なども作成していないでしょう。役員で会議をしたときは議事録を作成しておく、役員としての仕事をしたときは手帳などに日時を残しておく、その役員の役割を明確にしておき、税務調査官から質問をされてもすぐに答えることができるようにしておく、などが大切です。

役員報酬が不相当に高額でないか

不相当に高額な役員報酬を支給している場合、その不相当に高額な部分の金額は、法人の経費としては認められません。そのため、税務調査では、役員報酬が不相応に高額なものとなっていないかどうかということが問題となりますが、その判断は、形式基準と実質基準により行われます。

形式基準とは?

まず、形式基準では、株主総会や取締役会等で決定された役員報酬の上限額を超えていないかどうか、で判断されます。役員報酬は株主総会または取締役会等で決定する必要がありますので、それを超えた金額は高額な部分であると判断されることとなります。
同族会社の場合は、株主総会や取締役会で決議を経ることは比較的容易なはずです。この決議をしていないから経費として認められないということになれば大きな損失ですので、必ず、決議をして議事録や取締役決定書などの書類を残すようにしておきましょう。

実質基準とは?

実質基準では、その役員の職務内容や会社の収益、従業員に対する給与の支給状況、類似法人の役員報酬の支給状況等から、支給している役員報酬が不相当に高額となっていないかどうか、で判断されます。
ただし、不相当に高額な役員報酬であると判断されるか、について客観的な基準はなく、ケースバイケースで考えることとなります。

収益をあげている会社で常勤役員の場合は、役員報酬が多少高額であったとしても、その役員の貢献によるものと考えられるので、あまり問題となることはないでしょう。
非常勤の役員(特に親族であるとき)に対して役員報酬を支給しているときは、税務調査でも論点となりやすいので、適正な金額を支給しているかどうかを前もって検討しておくことが必要です。

定期同額給与となっているか

役員報酬は、原則として、株主総会等のタイミングで見直しを行い、その後、一年間は毎月同額を支給していなければなりません。途中で役員報酬を増額した場合は、原則としてその部分は損金として認められないこととなります。また、経営状況の著しい悪化などの特別の事情がない限り、減額したときは、その差額(当初の役員報酬-減額後の役員報酬)が損金として認められないこととなります。
なお、役員賞与は、事前届出給与等に該当しない限り、定期同額給与とは認められませんので、損金にすることはできません。

税務調査では、役員報酬が定期同額給与となっているか(役員賞与で損金不算入のものはないか)、減額したときは特別な事情があったものと認められるか、のチェックがされることがあります。

減額したときには、調査官に特別な事情を説明できるようにしておく必要があるでしょう。

まとめ

税務調査で役員報酬が問題とならないためのポイントを解説しました。役員報酬が損金として認められなくなると、法人税等がかかることとなります。受け取った側にも所得税がかかるため、役員報酬を支給することで税金ばかりかかることとなってしまいます。特に同族会社で親族に対して役員報酬や給与を支給しているような場合は、今回説明したポイントに留意するようにしましょう。